今度はペドロサ!「8戦連続で違う8名が優勝」はMotoGP史上初 (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

22周目にペドロサ(左)がロッシ(右)を抜いてトップに立つ22周目にペドロサ(左)がロッシ(右)を抜いてトップに立つ この好条件が金曜の好調な走り出しに寄与したどうかと訊ねられた際には、「主な理由かどうかはわからないけど、それも一因だと思う。前戦のシルバーストーンのように(温度が低く)熱を入れるのが厳しいときよりは、ポジティブな材料になっている」と話した。

 土曜午後にレースシミュレーションを実施した際には、高水準の安定したラップタイムを刻み続けたが、その後の予選ではいつものように一発タイム出しに苦しんで、8番手スタート。決勝レースでは、ほとんどの選手がフロント用にミディアムコンパウンドのタイヤを選択したのに対し、ペドロサはソフト側コンパウンドでグリッドについた。路面コンディションの状況を活かし、体格の不利も補えるソフト側の特性を存分に活かす展開で勝利を収めたが、本人がレース後に述べた「まさか勝てるとは思っていなかった」という言葉は、正直な心境だっただろう。

 自宅から10kmの、文字どおりホームコースでの一戦に必勝態勢で臨みながら、それを果たせなかったロッシは、終盤に自分を鮮やかに抜き去ったペドロサに対して、「勝ちを狙っているから、誰もが全力で勝負にくる。いいオーバーテイクだった。仕掛けた側が自分じゃなかったのが残念だけど」と素直に負けを認め、3位のロレンソも、「思いどおりの走りをできずに苦しんできた時期を乗り越えて、勝利を手にしたダニは素晴らしいと思う」とエールを贈った。

 2016年シーズンは残り5戦。次戦の舞台、スペインのモーターランド・アラゴンでは過去にマルケス、ペドロサ、ロレンソが優勝を飾っている。マルケスがリードするチャンピオン争いも、いよいよ本格的な佳境に差しかかる。

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