トヨタ悲願のル・マン24時間優勝を果たすのは小林可夢偉か、中嶋一貴か (3ページ目)

  • 川喜田研●取材・文 text by Kawakita Ken

「このレースでは変に気負ってしまうのが一番よくないんです。プロのレーシングドライバーとして自分に与えられた仕事を着実にこなす……。それをチーム全体でやれて、そのうえに運が味方しなければ勝てないのがル・マンですから……」(可夢偉)

6号車のドライバーを務める小林可夢偉 /提供:トヨタ自動車6号車のドライバーを務める小林可夢偉 /提供:トヨタ自動車 2014年のル・マンでは日本人初のポールポジションを獲得し、これが5回目のル・マン挑戦となる中嶋一貴と、今年から新たにトヨタのドライバーラインナップに加わった小林可夢偉。ともに10代の頃からトヨタのドライバー育成プログラム(TDP)で育ち、F1での経験を持つふたりの日本人ドライバーの存在と、それぞれの個性は一新されたパワートレインとともに今年のトヨタにとって、大きな武器となりそうだ。

 特に新加入の可夢偉はエンジニアへの的確なフィードバックで今季のマシン開発に大きく貢献しているだけでなく、F1時代から定評のあった、「天性のスピード」を感じさせる走りを披露している。

「予選2回目、3回目のように雨の中の難しい状況でも一発で好タイムを叩き出し、それを安定して続けられる可夢偉の能力はずば抜けています」とトヨタTS050HYBRIDの村田久武開発リーダーも舌を巻く。

 そんなトヨタを迎え撃つのは今年、84回目を迎えたル・マン24時間で最多の通算17勝を誇る、ディフェンディングチャンピオンのポルシェと、そのポルシェに次ぐル・マン通算13勝のアウディという強力なライバルたち。

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