ダブル入賞にだまされるな。モナコで露呈したホンダの厳しい現実 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 なによりショックだったのは、トロロッソにも、フォースインディアにも、完敗を喫したことだった。

「これでもうハッキリしましたよね。フォースインディアはクルマがすごくよいということだと思います。(同じパワーユニットを搭載する)ウイリアムズと比べてもよいということですから、彼らがすごくいい仕事をしているということが今日はっきりしましたよね。トロロッソもフォースインディアも速いですよ。マクラーレンのエンジニアとも話したんですが、彼も『そこは認めざるを得ないね』と言っていました」

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者は、このモナコでの不発で、マクラーレン側にも変化が見えてきたのを感じ取ったようだ。

 車体側の不備はあまり認めたがらないマクラーレンだが、このモナコでは不振をパワー不足のせいにするわけにもいかない。その点についても、マクラーレンのエンジニアたちは認めざるを得なかったようだ。

「今回はチーム側もちょっとセットアップの方向性をミスしたかな、ということは認めていました。車体そのものが悪いかどうか、というのは認めないんですけど(苦笑)、クルマの性能をすべて引き出せていなかったという言い方ですね」

 それでも、マクラーレンの首脳陣は強気の姿勢を崩そうとはしなかった。

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る