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Q3初進出の裏で、ホンダとマクラーレンの
間に流れる不穏な空気 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 スタートで出遅れてバトンの後方を走っていたアロンソは、45周目のターン3で失速し、「ノーパワー!」と言ってマシンを止め、グローブを投げ捨てた。地元でのこのレース展開に、アロンソの失望は大きかったのだろう。「ジェンソンを抜くな」というチームからの指示に憤慨しており、レース後のデブリーフィングに出席することなく、サーキットを後にしてしまった。

 あるエンジニアは、「フェルナンドが前に出たとしても、必ずしも速かったとは限らない」という。キミ・ライコネンが最後までマックス・フェルスタッペンを抜けなかったように、バルセロナでオーバーテイクは不可能に近かったからだ。

 アロンソがリタイアした原因は、ステアリング上のボタンでエンジンオイルをサブタンクからメインタンクへと移す操作をしたところ、制御システムがエラーを起こし、パワーユニットにダメージを与えないよう自動的に停止したのだという。

 オイル移送の操作自体は、どのレースでも決勝中に一度か二度は行なっている操作であり、スペインGPでもバトンは問題なくこなしている。制御システムのソフトウェアに問題があったのか、ステアリング上のボタンに間違ったプログラムが割り当てられてしまっていたのか、それともドライバー自身が操作を誤ったのか......。

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