ホンダのF1総責任者・新井康久氏に直撃。「いつ勝てますか?」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 2016年のF1シーズン開幕が1ヶ月後に迫ってきた。昨年、日本のみならず世界中のファンを大いに失望させたマクラーレン・ホンダは、今年どんな戦いを見せてくれるのだろうか。表彰台、そして勝利への道筋は見えているのだろうか?

 それを解き明かすためには、彼らが厳しい戦いを強いられた昨年の「敗因」をどう見極め、それにどう「対策」し、来たるべきシーズンにどのような「目標」を掲げているのかを知らなければならない。新車MP4-31の完成を目前に控え、最終開発に追われるホンダのF1プロジェクト総責任者・新井康久氏に「マクラーレン・ホンダの今」を聞いた。

ホンダの新井康久F1プロジェクト総責任者に今季のビジョンを聞いたホンダの新井康久F1プロジェクト総責任者に今季のビジョンを聞いた 2015年の開幕前、新井総責任者は、「ジグソーパズルに素晴らしい絵は描けている。ただ、まだいくつか足りないピースがある」と話していた。結果的にマクラーレン・ホンダは予選で一度もQ3(※)に進出することすらできず、ランキング9位という惨敗に終わった。あのころの彼らが描いていたのは、どんな絵だったのか――。

※予選はQ1~Q3まであり、出走台数が20台の場合、Q2に残るのは上位15台、Q3は上位10台。

「Q3どころではなく、もっと上のほうでよい戦いができると思っていましたし、私もいろんな話をするなかで、たしかに、『開幕戦ではよいところに行きたい』と話していました」

 しかし、開幕前のテストが始まった時点ですでに、その絵を完成させるのが難しいことは明らかになりつつあった。

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