汚名返上の2016年、ホンダは本当に勝つことができるのか? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 燃料・オイルの供給元であるエクソン・モービルも、2015年には投入できなかった"隠し球"を使った新型燃料を投入すべく、開発を進めている。フェラーリが使用するシェルは今季、PUの性能向上幅のうち、実に25%を担っていた。ラップタイムにして0.5秒を向上させたというほど、現在のPUにおいて燃料が果たす役割は大きいだけに、その効果も期待できる。

 では、2016年のホンダは勝てるのか――。結論から言えば、余程のことがない限り、それは難しいだろう。

 PUは間違いなく進歩する。マクラーレンの車体も、設計コンセプトを一新した今季は使いこなすのに苦労したが、来季はその経験をもとに大きく進歩させてくるだろう。

 しかし現状で、トップとの差はあまりに大きい。シーズン終盤戦の予選Q1(※)でマクラーレン・ホンダは平均して1.5秒ほどの遅れを取っており、結局は一度もQ3に進むことができなかった。

※予選はQ1~Q3まであり、Q2に残るのは上位15台、Q3は上位10台。

 ライバルたちも来季に向けてさらに進歩するのだから、その差を取り戻すだけでは十分ではない。今季のフェラーリに並ぶ程度では、来季も下位に沈んでしまうことになる。

 第2集団の争いは、いっそう激しくなるはずだ。メルセデスAMG製PUを積むウイリアムズやフォースインディアは依然として速さを維持してくるだろうし、今季低迷したマノーはメルセデスAMG製PUとウイリアムズ製ギアボックスの獲得で中団グループに飛び込んでくるだろう。

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