【MotoGP】ロレンソが逆転総合優勝。ロッシは届かず不満爆発! (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 今回の第18戦でロレンソは、予選から決勝レースまで一貫して誰よりもぬきんでた速さを発揮してきた。年間ランキングは開幕戦から第17戦までロッシがリードしたが、その差をじわじわと詰め、ついに最終戦で逆転を果たした力強さは充分に納得できる走りだった。

 一方のロッシも、最後の最後にランキングを逆転されてしまったものの、最後尾スタートから表彰台寸前の4位まで追い上げたパフォーマンスは、さすがというほかない。36歳という年齢を感じさせない集中力と技術、体力、そしてタイトル獲得への執念は、ロッシならではのものだろう。

 だが、125ccクラス時代から数えて通算10回目の総合優勝を逃したことがよほどつらく悔しかったのか、決勝レース後の定例囲み会見でロッシは、鬱積(うっせき)した不満を一気に吐き出した。

「マルケスがロレンソの王座を守るため、ボディガードのような走りをしていた」と、舌鋒(ぜっぽう)鋭く糾弾したのだ。

 ロッシはマルケスに対して、第16戦・オーストラリアGPでの走りがロレンソに対する援護射撃だったと、第17戦・マレーシアGPのレースウィーク前に非難しており、その際にまかれた火種が第17戦の決勝レース中の「両選手の接触」という事態に発展した。今回の第18戦での最後尾スタートは、この第17戦でのアクシデントのペナルティで、ロッシにしてみれば、すべてマルケスの狙った筋書きどおりに事が運んできた、という憤懣(ふんまん)やるかたない思いがある。

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