【F1】3度目の戴冠。ルイス・ハミルトンが感涙した「胸のうち」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「僕のキャリアで最高のレースのひとつだった。ペースもとても力強かった。最後尾から5位まで追い上げるという奇跡が起きそうだったのに、最後はエンジントラブルでペースが落ちてしまった。残念だけど、来年に向けて良い方向性が見えたと思う」

 最後はインジェクター関連のセンサートラブルでパワーが低下し、11位でチェッカーを受けることになった。しかし、来季に向けた燃焼系を投入したスペック4は、ICE単体としては十分な手応えをホンダに与えてくれたようだ。

 旧型のスペック3を搭載して走ったジェンソン・バトンは、最後に新品タイヤに換えてアタックし、6位をもぎ取った。たった12台しか完走することができなかった大荒れのレースだったとはいえ、マクラーレンは車体側でも空力面やメカニカル重量配分面の改良を加え、2016年の逆襲に向けて少しずつ歩を進めている。

 振り返ってみれば、2013年にハミルトンが名門マクラーレンを蹴ってメルセデスAMGに電撃加入した際、「どうして勝てもしない二流チームに移籍するんだ」という批判の的になった。

 しかしハミルトンは、メルセデスAMGがこのような成功を収めることを確信していた。

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