2015.10.27

【MotoGP】タイトル争いに禍根を残す、ロッシとマルケスの接触

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 レース後にロッシに下された処分は、3位入賞と16ポイント獲得を維持し、次の最終戦・バレンシアGPで最後尾グリッドからのスタート――というものだ。ロレンソに7ポイント差で追われるロッシにとって、9列目25番手からのスタートは、チャンピオン争いを非常に困難にする処罰であることは間違いない。

 しかし、チャンピオンシップでロッシを追う立場のロレンソにしてみれば、このような裁定によって有利な状況を与えられて逆転チャンプの座に就いたとしても、真っ向勝負で勝ち得たものにはならないだけに、割り切れない思いも残るのではないだろうか。あるいは、この逆境を乗り越えてロッシが念願のタイトルを獲得しても、禍根の残る王座、という印象はやはり拭い切れないだろう。

 さらに言うならば、今回の7周目14コーナーで発生した出来事により、このレースはもちろん、誰もが近年まれな素晴らしい戦いと絶賛していた第16戦のオーストラリアGPも、遺恨の伏線という苦い記憶のほうをむしろ強めてしまった。そしてロッシ自身にとっては、36歳という年齢で10回目の世界チャンピオンを目指して戦い続けてきた勇壮な今シーズンの推移すら、自らの手で貶(おとし)めてしまったともいえるだろう。

 第17戦・マレーシアGPは、力強い走りで優勝を飾ったダニ・ペドロサ以外は、全員がなにかを喪(うしな)った一戦になった。

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