【エアレース】最終戦4位の室屋義秀。「来年は年間総合優勝を狙う」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 もちろん、“バージョンアップ”が進んでいるのは機体だけではない。室屋は「安定して飛べるようになっている実感がある」と言い、今季を「パイロットとしての技術が向上したと実感できたシーズンだった」と振り返る。

来シーズンへ向けて機体の開発も進んでいる ©red bull来シーズンへ向けて機体の開発も進んでいる ©red bull 今季の室屋は8戦中3戦でラウンド・オブ・14敗退に終わった。予選ではコンスタントに上位につける一方で、一発勝負での勝負弱さを露呈するようなところがあった。室屋自身、「ひとつ勝ち上がるとスムーズに勝ち上がっていけるが、ラウンド・オブ・14への苦手意識というか、そこで集中し切れないところがあった」と認めている。

 だが、これについても明らかに改善の様子がうかがえる。

 今季最終戦。ラウンド・オブ・14のフライト直前に雨が降り出し、室屋は上空で待機させられることになった。しかも、対戦相手は昨年の年間総合優勝のナイジェル・ラムである。これまでなら集中力を保つのが難しい状況だったが、室屋は問題なく昨年王者を退けた。

 また、続くラウンド・オブ・8でも先に飛んだ地元・アメリカのマイケル・グーリアンが好タイムを出してプレッシャーをかけてきたが、室屋はそれを1秒以上も上回るタイムでねじ伏せた。この一連の勝ち上がりは、もはや余裕や貫録といったものすら感じさせる圧倒的な強さだった。室屋が語る。

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