ホンダF1、ダブル入賞で手応え。「次のステップに移りたい」 (2ページ目)
しかし、予選でマクラーレン・ホンダの2台は立て続けにトラブルに見舞われ、アロンソはコース上に止まったマシンを自ら必死に押して、ピットガレージへと戻して再出走しようとしたほどだった。バッテリーユニットから車体全体へと電源を供給するメインハーネスのコネクタがゆるみ、電源が落ちてしまっていたのだ。きわめてコンパクトなところに押し込まれているため目視での確認が難しいとはいえ、これはメカニックの作業ミスだった。
もう1台のジェンソン・バトン車は、ステアリング上のボタンで予選アタック用のウォームアップモードをオンにすると、パワーユニットのエネルギー回生をストップさせてしまう設定ミスがあり、パワーを出せずにQ1で敗退してしまった。
「フリー走行を通してクルマもパワーユニットもセットアップがうまくいっていた。期待が大きかったので本当に残念な結果です。感触としてはQ3進出を狙えるんじゃないかと思っていたので、チーム全体がガッカリしています」
ホンダの新井康久F1総責任者は、車体側のトラブルにそう言って肩を落とした。
「不運はこれっきりにして欲しい。もう十分でしょう?」
新井がつぶやくようにそう言うのもわからないではなかった。カナダGPから立て続けに予想外のトラブルや事故が起き、マクラーレン・ホンダのレース計画は停滞を強いられていた。そして、ここに来て続いたチーム側のヒューマンエラー。
トラブルに見舞われた過去3戦では、やや出力を抑えた状態で走った場面もあったというが、ハンガリーではそれを乗り越えて完璧な状態に近づけてきたという自負もあった。それだけに、落胆は大きかった。
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