課題山積。マクラーレン・ホンダは無事に開幕を迎えられるのか? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki photo by Yoneya Mineoki

 出力を抑えて走行させた2日目は、59周を走破したものの、MGU-Kに対策部品を投入して臨んだ3日目は、再び同じ問題が発生して24周でストップ。結局、シール部分の設計変更が必要という結論に達した。この間、パワーユニットをフルに使えないという制約のなかで、チームは短いランの繰り返しでデータ収集に専念することになった。

「数周でデータを収集してはピットに戻って、ウイングの角度などセッティングを変更してまた出て行く、ということを繰り返しています。今回のテストではロングランまではいけないでしょうね。それは来週にお預けです」(新井)

 そんな矢先に起きたのが、冒頭のアロンソのクラッシュだった。

 コースインしてから1周、2周と自己ベストを更新し続けていたアロンソがクラッシュしたのは、計測3周目。プッシュしていただけに、ドライビングミスの可能性も考えられる。また、この日は朝から10~15mの強風が吹いており、180度回り込む事故現場のような場所では、クルマの空力が不安定になりやすかったのも事実だ。

 実際、同じ場所でクラッシュを演じたカルロス・サインツJr.(トロロッソ)はこう語る。

「180度回り込むから、コーナーの入口と途中と出口で風向きが変わって、クルマの挙動が変わるんだ。しかも周回ごとに風が変わっている。ドライバーにとって、とても難しいコンディションだった」

 マクラーレンはデータ分析によってマシンに問題は起きていなかったことを確認し、強風によるクラッシュと結論づけている。しかし、アロンソの直後を走行していたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は、本来ならば時速240~250キロで抜けて行く高速のターン3で、アロンソのマシンが奇妙な動きをしていたと証言した。

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