2014.11.04

【F1】岐路に立つ可夢偉。来季のカギを握るのはホンダ

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 だが、もし仮にこのままチームが減るとなれば、リザーブドライバーの席すら確保することが難しいかもしれない。それが今のF1だ。

今後の去就についてメディアの質問に答えた可夢偉 photo by Yoneya Mineoki チーム代表5名が出席した金曜のFIA会見では、F1が直面している問題についての質問が乱れ飛び、本来であれば30分を目安として切り上げられる会見が1時間にも及んだ。それだけ誰もが、ケータハムとマルシアの不参加によるチーム数減少を深刻と捉えていると同時に、解決策を見出すことが非常に難しい状況でもある。

 そんな絶望的な状況で希望を見出すとすれば、来季からF1に参戦してくるホンダだ。

 現在、栃木の研究所では2015年用パワーユニットのベンチテストが行なわれている。来年2月1日までに最終仕様を完成させ、マクラーレンの2015年型マシンに搭載しなければならない。2月末までの実走テストで最後の追い込みを行なうことになるとはいえ、大まかな仕様を固めるまでに残された時間はもうほとんどない。

 今まさにパワーユニット開発の大詰めを迎えているホンダにとって、実際に2014年型パワーユニットを操り開発を進めてきたドライバーの生の声を吸収するチャンスはほぼ皆無と言っていい。もしそれができるのなら、極めて貴重な情報となるのではないだろうか。

 現時点で他チームとの契約に縛られずにそれができるドライバーは数名しかおらず、その中で可夢偉はずば抜けて経験豊富な存在だ。開幕前のテストからケータハムのマシン改善の方向性を指し示してきたのは可夢偉であり、その成果がようやく形になったのが日本GP最終仕様のCT05だった。そのマシンが可夢偉に与えられなかったのは皮肉ではあるが、エリクソンの好走を見れば可夢偉の開発能力がチームに大きく貢献していたことは明らかだった。

 実際、ホンダの技術者の中から、可夢偉の獲得を望む声も聞こえてくる。

 日本人として日本のメーカーのために走れるのなら、可夢偉としてもそれは本望だと言い切った。

「そのチャンスがあれば、僕としては嬉しいですね。ホンダさんとしては1年目から勝ちたいという明確な意思を持っておられるので、条件としてもいろいろあるでしょうけど、僕としては今年このエンジンで走って来た経験がありますから、うまく利用してもらえれば貢献できる自信は絶対にあります」