2014.09.03

【MotoGP】12戦11勝。若き王者マルケスの勢いは止まらず

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 レース序盤の静謐(せいひつ)な緊張感に満ちた展開から中盤の劇的なバトル、そして最終盤ではコンマ数秒のタイム差でありながら相手を寄せ付けずに完璧にレースを支配する圧巻の締めくくり……。シルバーストーンサーキットで行なわれた第12戦イギリスGPは、史上最年少王者のマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が、またもや全方位的な勝負強さを発揮して勝利を収めたレースだった。

熾烈な優勝争いを繰り広げたマルケス(写真右)とロレンソ(左) 前戦の第11戦チェコGPは、開幕以来破竹の快進撃を続けてきた連勝についにストップがかかり、4位でフィニッシュ。昨年MotoGPへステップアップして以来、完走したレースではワーストリザルトなった。レース翌日にブルノサーキットに居残って行なった事後テストでは、なぜ優勝を争う走りができなかったのかを検証した。

「ブルノのレースではベストセットアップを見つけることができなかった。コース特性も僕には合っていなかったのかもしれない。さらに、何らかの理由でリアがかなりスピンしてしまった。不思議なのは、土曜も速かったし決勝日朝のウォームアップでも速かったのに、レースではなぜか苦戦してしまった、というところ。月曜にまったく同じセットアップで走り出したら、速く走ることができたんだ。なにかひとつの問題があってそうなったのではなく、いろんな要素が絡みあった結果なのだろうと思う」

 前戦の決勝レースで不本意なリザルトに終わった原因を分析したマルケスは、この月曜の事後テストで問題を解決した際の変更点については「タイヤを変えただけなんだよね」と、あっけらかんと答えた。

 ことほど左様に、常人の域を超えた強さを披露し続けるマルケスは、今回の第12戦でも金曜日午前のフリープラクティス1回目から、全セッションで終始トップタイムを記録。圧倒的に優位な状態で日曜の決勝レースを迎えた。

 対照的に、ヤマハ陣営は金曜の走り出しで低迷。シルバーストーンで2012年と2013年の2年連続優勝を飾っているホルヘ・ロレンソ(モビスター・ヤマハ)は、タイヤ性能を存分に引き出すことができず、初日(金曜フリー走行)の順位は全23選手中11番手。