2014.07.09

【F1】ハミルトンが母国GPで手にした勝利以上のもの

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

地元で優勝し、声援に応えるルイス・ハミルトン(写真中央) ウイニングランを終えてパルクフェルメに戻ってきた彼は、ヘルメットのバイザーを開けて涙をぬぐったようにも見えた。彼の目が濡れていたとしてもおかしくはない。それほど劇的で感動的な週末だった。家族の支えで折れかけた心をつなぎ止め、大観衆の声援を前へ進む力へと変えたのだ。

「ファンのみんなと家族が応援してくれた。今週は家族がそばにいてくれて本当によかった。みんなの支えがなければ、この結果を手に入れることができなかったよ。最高のファンがずっと応援してくれた。これだけの応援を前に、今いろんな感情が入り交じっている」

 こうしてハミルトンは、地元グランプリでとても大きなものを手に入れた。25ポイントを獲得し、チャンピオンシップの流れをもう一度手繰り寄せただけではない。この週末の経験が、彼をもっと強くしてくれたはずだ。

「今日は何としてもこの結果が必要だったんだ。もちろん、チームは1-2フィニッシュのために全力を尽くしているし、チームメイトがリタイアするところなんて見たくない。今日もこんな勝ち方はしたくなかった。ホイールトゥホイールのバトルを期待していたんだ。でも、きっとそれはこれから何度も経験することになるだろう」

 その言葉は、逆境をはね返し、生まれ変わったハミルトンの新たな宣戦布告のようにも聞こえた。

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