2014.03.04

【MotoGP】プレシーズンテストでトップタイム。
元王者ロッシに「復活の兆し」

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira photo by Nishimura Akira

《禍福はあざなえる縄のごとし》という古い諺(ことわざ)がそのまま当てはまるようなテストになった。

 2月26日から28日までの3日間にわたってマレーシア・セパンサーキットで行なわれた2014年2回目のプレシーズンテストは、タイヤとマシンの相性、ライディングスタイルの相違で、明暗がくっきりと分かれた。

今年2回目のテストでトップタイムを出したバレンティーノ・ロッシ トップタイムを記録したのは、ヤマハ復帰2年目を迎え、今年がまさに現役生活の正念場となるバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)と、毎年チャンピオン候補に挙げられながら様々な不運で王座を逃してきたダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)。

 テスト最終日の3日目、路面温度が過酷にならない午前の早い時間にタイムアタックを実施したロッシは1分59秒999を記録。タイムシートの最上位につけた。そのタイムを誰も更新しないまま終了時刻を迎えるようにも見えたが、路面温度が下がってきた夕刻にアタックを行なったペドロサがロッシと1000分の1秒まで同じ1分59秒999をマークして、トップタイムに並んだ。

 前回のテストでは、ワンメークタイヤの供給元ブリヂストンが2013年仕様と2014年仕様の双方を選手たちに割り当てたが、今回のテストでは2014年スペックのみを供給した。このタイヤ特性がホンダに対して何の問題も出なかったのに対して、ヤマハ側の選手からは「2013年スペックよりも悪くなった」と不満が噴出した。

 特に相性の悪さが際立ったのが、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)だ。ロレンソは最終日になんとか7番手につけたものの、レース周回を想定したシミュレーションはラップタイムの落ちが激しく、途中で切り上げざるをえない状況だった。

「(深いバンク角で旋回する際の)エッジグリップを得られない」という彼の不満に関しては、ロッシも同様の主旨を初日から訴えていたが、こちらは最終的にトップタイムで終えているだけに、ロレンソほどの深刻な表情にはならなかった。その理由について、ロッシは「僕とホルヘのスタイルの違いも大きいだろうね」と話した。