【MotoGP】最年少チャンピオン狙うマルケス、失格の舞台裏 (2ページ目)
レース開始後、ロレンソ、マルケス、ペドロサの3台がトップグループを構成した。ロッシはそこからやや遅れ、他の選手と4番手争いを繰り広げている。いつもの、見慣れた決勝風景だ。
9周目に、3番手を走行していたペドロサが最終コーナー手前のピットロード入り口へ向かった。コース上では、ロレンソの直後にマルケスがつけ、緊迫した周回を続けている。
ロレンソは10周目にピットイン。しかし、マルケスはロレンソと同様にピットロードへ向かわず、そのままコース上を走行してコントロールラインを通過。10周目を完了し、11周目に向かった。
ひとり淡々とコースを走行するマルケスの姿に、周囲は騒然となった。
当のマルケスは、その周回、つまり11周目終了時にピットロードへ向かい、新品タイヤを装着したマシンに乗り換えてコースへ復帰した。
もちろんこれがルールに違反していることは明白で、ほどなくマルケスに対して黒旗が提示され、失格処分となった。
レースはロレンソが優勝。ペドロサが2位。ロッシが3位に入った。チャンピオンシップポイントは、マルケスが失格の0点に終わったことにより、ロレンソとの点差は18点へと一気に縮まった。
マルケスにしてみれば、悔やんでも悔やみきれない痛恨の凡ミス、というほかない。
それにしても、なぜ、このような失策に至ってしまったのか。
「どうしてああいう奇妙な失敗を犯すのか、まったく理解できない」。マルケスがコース上から消えたことにより3位でチェッカーフラッグを受けたロッシは、その原因を以下のように推測する。
「(ピットインのタイミングは)2周しかなくて、前を走るホルヘがピットへ戻っていくのに、なぜついていかなかったのか。それとも、サインボードの表示を見ていなかったのか。自分の場合から想像すると、僕は最初(9周目)にピットインしようと思っていたのだけれども、(アルバロ・)バウティスタとバトルをしている最中だったので、サインボードを見ていなかったんだ。でも、その周回の終わりにバウティスタがピットインしていったから、自分は次の周回でピットに戻った。そういうことが2回、マルケスに発生した、ということなのかもしれないけど......、よくわからないね」
2 / 3