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面白いが悩ましい。
F1中国GPで見えてきたピレリタイヤの特性 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

■実質的にアロンソの独走劇だった中国GP

 予選では、レッドブル勢が今回このような戦略を採ったこともあって、メルセデスAMGのハミルトンが圧倒的な速さでポールポジションを獲得した。

 しかし、彼のマシンはタイヤをいたわるという点でライバルたちに劣っていた。スタートで出遅れたキミ・ライコネン(ロータス)は、渋滞の中では本来のタイヤに優しいマシン特性を発揮しづらくなり、他車との接触でマシンにダメージを負ったこともあって、2位が精一杯だった。

 そんな中で、最もうまくタイヤを使い切ったフェラーリのフェルナンド・アロンソが今季初優勝を挙げた。

 レース後、複雑な展開だったわりには、エキサイティングではなかったという意見も噴出した。見た目上は首位が次々と入れ替わったが、実質的な展開としてはアロンソの独走劇というのが中国GPの真の姿だった。コース上のバトルも、それほど激しい場面はなかった。

 これについて、ベッテルは次のように語った。

「これがファンの人たちにとっても良いことなのかどうか、僕には分からないよ。オーバーテイクはたくさんあったけど、それぞれが抵抗もせずに自分のレースをしていた。できるだけ長く保たせるためにタイヤをいたわって、ギャップをコントロールすることだけを考えている。クルマ本来の速さで飛ばしていくことはできないんだ。そんなことをしたらあっという間にタイヤがダメになってしまうからね。

 第1スティントのジェンソンだって、2ストップ作戦を可能にするためにそうしていたし、攻めて走らずバトルもせず、フェルナンドが追いついてきたら抵抗もせずに抜かせて、必要な周回数を走り切ることだけを考えていた。バトルをしてもタイヤを痛めて自分が損をするだけだからね。それが今季のレースと言われればそれまでだけど」

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