【F1】新シーズンを占う最大のカギ。
ピレリの新タイヤはこれだけ変わった (3ページ目)
ピレリのピレリのR&Dセンターでテストされるタイヤ こうした開発は、冒頭で述べたようなシミュレーション技術の向上が大きな役割を果たしている。2年前のF1マシンを使用した実走テストも行なっているとはいえ、最新型のマシンとは似て非なるものであり、そのデータは参考程度にしかならない。
開発の基礎はシミュレーション技術によって裏打ちされる。シミュレーションの精度に自信があるからこそ、新設計で性能向上と弱点強化の両立に乗り出すことができた。このアグレッシブなタイヤは、彼らが2年間のF1活動で学んできたことの集大成ともいえる自信作なのだ。
「開幕までにテストの機会はさほど多くはない。しかしタイヤの変化は大きい。とにかく、新しい特性をいち早くしっかりと理解して、タイヤをしっかりと使いこなせるようにして、開幕戦に備えることが各チームにとって重要になるだろう」(ポール・ヘンベリー)
2013年はマシンの側に大きな規定変更はなく、唯一ともいえる技術的な変化がこのタイヤだ。つまり、タイヤこそが勝敗のカギとなる。速くてタレやすいという、アグレッシブに進化したピレリタイヤの性能をいかに使いこなし、デグラデーションを巧みにコントロールするか。
まずは開幕までに用意された12日間のテストを、各チームがどのように過ごすかが2013年シーズン最初の注目ポイントになるだろう。
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