【F1】可夢偉の2012年の自己採点は?「普通に走れていれば余裕で上に行けていた」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

――チームに対する評価は?

「チームは70点とか80点とかあげとかなあかんのちゃう?」

――クルマは?

「あ、そういうこと!? 別々に採点? じゃあチームは40点!(笑)『もっとできたよね』っていうね。で、クルマが70点くらいにしとこかな」

――あらためて振り返ってみて、精神的にも苦しいシーズンだったのではないかと思いますが。

「そりゃあ精神的には常に苦しいですよ、来年のことを聞かれても僕だってわからへんからイライラして走られへんし(苦笑)。クルマに乗ることは楽しいけど、やっぱり難しい部分、苦しい部分はいっぱいあります。でも、それも含めてレースをするためやからしょうがないよね」


――レースってそんなに楽しいですか?

「楽しいですよぉ~。もうね、結果を気にせず楽しくレースができたら幸せやろなって思う。でもね、僕らはプロやから結果も気にしないといけない。それって難しいんですよ。上位チームで走れれば楽しいでしょうね、それで勝てるんやから。もちろん彼らも結果を気にしなきゃいけないけど、結果を残すのが簡単じゃないですか、普通に走るだけで表彰台に乗れたりするわけで。

 結局はお金持ちのスポーツなんでしょうね、それはホンマに感じますよ……。そういう中で貧乏人がどこまで頑張るかっていうね、(僕は)昔っから常にこんなんやけどね」

 可夢偉は走る喜びを語った。それは、これだけ苦しいシーズンの中で最後には表彰台という結果を出したからこそ、そして自分がこのF1の世界でどう生きていくべきなのかを考え直したからこそ、改めて見えてきたことに違いない。

 そして可夢偉は、自身について「僕はまだまだ成長しているところやし、それは実感できた」とも語った。トップに限りなく近い場所に挑み、それを戦い抜いて結果を手に入れたからこそ、可夢偉はもっと上を目指したくなった。2013年に向けた情勢は厳しいものとなったが、可夢偉はあきらめてはいない。その夢の続きを、是非とも見せてもらいたいものだ。

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