2012.07.18

【MotoGP】決断の時迫る。
ロッシの来季をめぐって飛び交う数々の「噂」

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

地元イタリアでのグランプリで5位のロッシ。その去就に注目が集まっている トスカーナ地方の山あいにあるムジェロサーキットで行われたイタリアGPを、バレンティーノ・ロッシ(ドゥカティ)は5位でフィニッシュした。

 予選では思うようなタイムアタックができず、10番グリッドからのスタートになったが、決勝は周回ごとに順位を上げてゆき、最後の数周は3位争いの集団も視野に収めた位置でチェッカー。2002年から2008年まで7年連続で優勝し、ドゥカティのテストコースでもある地元中の地元だけに、完璧に満足とは言わないまでも、現在のマシンポテンシャル等を考慮すれば、ひとまずは納得のリザルトだろう。レースを振り返る表情も、さばさばとしたものだった。

「5位という結果も悪くないけれども、今日はレース内容が良かった。特にここ数戦は終盤にいいリズムで走れなかったので、最後までいいペースを保てたことは非常に意義深い。前方グループとの差が周回ごとに0.2、0.3秒と詰まっていき、近づけるかもしれないと走りながら計算をした。彼らは競り合ってタイムをロスしていたので、最後の最後に追いつくことができた。楽しいレースだったよ」

 レースを終えて、翌月曜には全チームが参加する合同事後テストが行なわれ、ロッシのドゥカティ陣営は、次戦アメリカGPで投入する予定の新エンジンを試した。出力特性や扱いやすさが改善されたというこのエンジンパフォーマンス次第で、「来季もドゥカティに残留するかどうかを判断したい」とロッシは以前から公言していたが、その一方で、エンジンの劇的な変化はないだろうとも予測されていた。

 このような現状を踏まえて、来季、ロッシはドゥカティと契約を更新しないだろうという見方が一時は支配的だった。だが、結果として、このテストでロッシは電子制御の問題から転倒を喫し、開発はまだまだ課題含みであることが明らかになったものの、ここ数戦の彼の言動から推測する限り、残留の含みをにおわせる雰囲気もちらついているように見える。