2012.07.23

【F1】可夢偉、自己最高の4位で後半戦へ。
「あと1コなんやけどなぁ」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

ドイツGPで自己最高の4位となった小林可夢偉。次週はハンガリーGP 長いトンネルが続いていた小林可夢偉が、ようやくそこから抜け出た。ドイツGPで自己最高位となる4位入賞を果たしたのだ。

 ただし、内容で言えば今回よりも充実したレースはもっとあったと可夢偉は言う。完璧なレースをやり遂げ5位入賞を果たしたスペインGPもそうだ。

 それよりも今回のドイツで大きかったのは、可夢偉とチームが”産みの苦しみ”を乗り越える糸口を掴んだという事実だ。

 予選Q2を前にホッケンハイムが突然の豪雨に見舞われた時、路面の水量が刻々と増えていく中で、少しでも早くコースインしたいと訴える可夢偉の声に、チームは応えることができなかった。マシンには3周分の燃料しか入っておらず、雨のセッションでの定石である連続走行のために慌てて給油を行なっていたからだ。状況を考えれば、それを中断してでも早くコースインすべきだった。しかしチームにその迅速な決断力がなかったのだ。

 不利なコンディションで予選13位に沈んだ可夢偉は、その日の夜にチームに願い出た。

「今回は僕の好きなようにやらせてくれ」

 いつもはチームが指定する戦略を受け容れるだけの可夢偉だが、後方からのスタートでギャンブルも許される状況の決勝には、自分の思う通りの戦略を採らせてくれるよう提案したのだ。そしてそれは容認された。