【MotoGP】決断の時迫る。
ロッシの来季をめぐって飛び交う数々の「噂」 (3ページ目)
上記で触れた合同事後テストは決勝翌日の月曜に実施されたが、火曜から木曜までの三日間は、ドゥカティがプライベートテストを行なうことになっている。そのテスト現場を、かつてヤマハで、ロッシの愛する常勝マシンYZR-M1を開発した古沢政生氏が訪問する、という。ロッシと古沢氏の世代を超えた友情はつとに有名だが、ロッシをなんとしてでも慰留したいアウディ側が、ヤマハを引退した古沢氏にコンタクトを取り、古沢氏は木曜に極秘でムジェロサーキットを訪問する、というあまりに「よくできた話」だ。
古沢氏に電話取材で真偽を確認してみると、イタリアへ行くのは事実だが、あくまでもプライベートな旅行であり、イタリア到着は木曜夜の予定だという。これでは、「テスト視察」は到底できそうもない。
「バレンティーノと最後に連絡を取り合ったのは、3、4カ月前。内容はただの挨拶程度。直接顔を合わせて話をしたのも、昨年のインディアナポリスGPが最後。自分がイタリアに行くと妙な噂が立つかもしれないから目的地や期間は話したくないが、ドゥカティやバレンティーノのためにイタリアへ行くわけではない」と、電話の向こうで古沢氏は笑った。
しかしその一方で、ドゥカティでマシン開発の陣頭指揮を執るフィリポ・プレツィオージが、「古沢氏をテストに招くのは自分のアイディアだ」と周囲に話した、という<噂>もある。
こうなってくると、どの話に真実味があるのか、もはや見当もつかない。あるいは、口づてで伝わるうちに面白おかしくもっともらしい話へ仕上がっているのかもしれない。
いずれにせよ、これらの話からわかるただひとつ明らかな事実は、勝てない状態がこんなに続いていても、そのような噂話が飛び出てくるほどバレンティーノ・ロッシはいまだに話題の中心にいる、ということだ。
「残留は事実上確定」とも「ヤマハ移籍70%、ドゥカティ残留30%」とも、皆が好き放題に語る彼の来季の行方は、来週末に行なわれる次戦アメリカGPあたりから徐々に明らかになってくるだろう。
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