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【F1】小林可夢偉が分析するザウバーのニューマシンの特性

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

ザウバーの新車発表会でマシンを披露する小林可夢偉とセルジオ・ペレスザウバーの新車発表会でマシンを披露する小林可夢偉とセルジオ・ペレス
 小林可夢偉の2012年シーズンが始まった。

 2月6日、ザウバーは新車C31をスペインのヘレスで発表し、シーズンのスタートを切ったのだ。

 他チームと同様、ノーズには不格好な段差があり、その醜(みにく)さに発表会に集まった人々は眉をひそめた。しかし当の可夢偉は、そんなことは意に介さない。

「確かにすごくクールってわけじゃないけど、そんなに酷くはないでしょ。最初はそう感じるかもしれないけど、すぐに慣れますよ。走っていてもノーズは見えないし。それよりも大切なのは、速いクルマかどうかってことですから」

 3年目のF1シーズンとなる可夢偉にとって、目標とは?
「目標は、できるだけたくさんのポイントを獲ることです。1年目も2年目もアップダウンがあったから、シーズンを通して安定したレースができるようにしたいですね」

 昨年後半にザウバーが失速したのは、不運によるところもあったが、最も大きな打撃を受けたのはブロウンディフューザーの問題だった。スロットルを閉じた際にもエンジンから排気を続け、それをダウンフォース発生に充てるこの装置への規制が二転三転する中で、ザウバーはその開発を断念していたからだ。

 しかし今季はブロウンディフューザー使用が禁止となる。排気管はボディの上に配置され、排気の影響は限りなく小さくなった。これはザウバーにとって追い風だ。

「去年も、イギリスGPまでは調子が良かった。それ以降の展開を見れば、ブロウンディフューザーの影響が大きかったことは明らかですね。だから今年の状況は、そんなに悪くないと思う。去年だって、それ以外の部分では本当はシーズンを通してパフォーマンスは上がり続けたんです」

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