【競馬】大目標の皐月賞へ。最終切符獲得に燃えるアンビシャス

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

2015年クラシック候補たち
第7回:アンビシャス

毎日杯で皐月賞の出走権獲得を狙うアンビシャス。毎日杯で皐月賞の出走権獲得を狙うアンビシャス。 牡馬クラシックの第1弾となるGI皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)。上位入線馬に優先出走権が与えられる「トライアルレース」は終了したが、この舞台への"出場切符"をかけた戦いはまだ終わっていない。3月28日に行なわれるGIII毎日杯(阪神・芝1800m)で勝てば、たとえ1勝馬でも出走条件を満たす賞金が加算されるため、皐月賞への出走がかなうのである。

 栗東トレーニングセンター(滋賀県)の音無秀孝厩舎に所属するアンビシャス(牡3歳/父ディープインパクト)も、"最終便"となる毎日杯からの皐月賞参戦を狙う一頭だ。

 昨年11月にデビューしたアンビシャスは、芝1600mのレースを使って2連勝。いずれも好位からの危なげないレース運びで勝利した。その後、同馬は休養を挟むと、GIII共同通信杯(2月15日/東京・芝1800m)へと駒を進めた。

 共同通信杯は、昨年の皐月賞馬イスラボニータ(牡4歳)や、2012年の二冠馬(皐月賞、菊花賞)であるゴールドシップ(牡6歳)が勝利したレース。いわば、クラシックと関わりの深い舞台だ。今年も例に漏れず、ドゥラメンテ(牡3歳/父キングカメハメハ)やリアルスティール(牡3歳/父ディープインパクト)といった、前評判の高い素質馬が集まった。

 レースがスタートすると、アンビシャスは3番手をキープ。そのまま直線に入り、力強く先頭に立った。過去2戦と同じ、正攻法の競馬。しかし、直線半ばからはリアルスティールとドゥラメンテがそれを上回る伸びを見せ、最後はリアルスティールが抜け出して優勝。アンビシャスは最後まで上位2頭に食い下がったが、3着に敗れてしまった。

 アンビシャスにとって、初黒星となった共同通信杯。だがこのレースぶりを見て、厩舎スタッフは皐月賞への手応えを感じたという。関西競馬専門紙のトラックマンが語る。

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