【競馬】大目標の皐月賞へ。最終切符獲得に燃えるアンビシャス (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

「陣営は、共同通信杯を振り返って、『上位2頭は確かに強かったけれど、アンビシャスも横綱相撲で質の高いレースを見せた』と好感触でしたね。直線で後ろから来た2頭にかわされる形となりましたが、目標とする皐月賞は、直線の短い中山競馬場が舞台。それだけに、『アンビシャスは前目のポジションで運べる分、皐月賞ではチャンスがある』と楽しみにしている様子です。だからこそ、何としても毎日杯を勝って、皐月賞出走のために賞金を加算したいと考えているようですね」

 アンビシャスの強みとして陣営が挙げるのは、「レースのうまさ」。好スタートから先行でき、騎手の指示にきちんと反応する。折り合い面にも不安がなく、何らレース運びに注文がつかないタイプだ。小回りでタイトな中山競馬場なら、その強みを最大限に生かせると見ている。

 とはいえ、今年は例年以上に賞金を獲得している馬が多く、皐月賞に出走するためのボーダーラインは高い。アンビシャスにとっては、勝利が絶対条件となる()。それでも先述のトラックマンは、「陣営は自信を持っている」という。
※賞金による出走条件のボーダーラインが低い年であれば、2着でも皐月賞に出走できることもある。

「デビューからいい状態を維持していて、とにかく『体調面には不安がない』とのこと。距離も1800mがベストと見ているようで、『毎日杯で大崩れするシーンは考えられない』と言っています。もちろん相手関係もありますが、毎日杯には万全の態勢で送り出せるのではないでしょうか」

 管理する音無調教師は、アンビシャスについて「あまり距離が伸びるとよくなさそう」と見ているという。となれば、大目標に据えるのは、日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)ではなく皐月賞。その舞台に向かうためにも、毎日杯には抜かりない仕上げでくるのは間違いない。

 スタッフたちが共同通信杯で感じた、確かな手応え。アンビシャスはその期待に応えることができるのか。毎日杯での走りが栄光への分岐点となる。

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