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【競馬予想】絶対的な存在がいないアイルランドTは"大荒れ"の予感...人気薄の実力馬2頭が高配当を演出か (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu

「馬体重の増減が激しく、終(しま)い一手の脚質ということもあって、成績こそ安定していませんが、近2走では内有利の馬場状態のなか、大外から脚を伸ばして最後は前との差をつめています。

 特に前走のGⅢクイーンS(8月3日/札幌・芝1800m)では、勝ち馬からコンマ3秒差の4着。レース前に美浦から函館に移動した際、体調を崩して1日休んだことを考えれば、中身の濃い内容だったと思います」

 3歳時のGⅢフェアリーS(中山・芝1600m)を勝って以降、3年半以上も勝利からは遠ざかっているが、その間、惜しいレースは何度もあり、6歳になった今も衰えた感じはない。

「年齢的な衰えはなく、陣営も『フレッシュな状態で、前回よりもいい雰囲気』と好感触を得ています。高速決着には若干の不安を抱えているようですが、今年のメンバーなら持ち時計的にもそん色なく、悲観することはないでしょう。

 一昨年の当レースでは、ハナ、クビ差の3着と好走。舞台適性は高く、立ち回りひとつで上位争いに食い込んできても不思議ではありません」

 藤田記者が推奨するもう1頭は、半姉にサラキア、全兄にサリオスといったGⅠでの活躍馬がいるサフィラ(牝4歳)だ。

「前走のGIヴィクトリアマイル(5月18日/東京・芝1600m)は、好位で運んで13着と惨敗。後方勢の決着となったうえ、マイナス10kgの馬体減も堪えた印象でした。そのレース後は、放牧でしっかりとオーバーホール。秋に向けて英気を養い、ここを目標に仕上げてきました。

 もともと稽古は動くタイプですが、1週前の追い切りではジョッキー騎乗で6ハロン82秒1-1ハロン11秒1という好時計を楽々とマーク。素軽さ抜群で、出来のよさがひしひしと伝わってきました。

 どちらかと言えば、奥手の血統。半姉のサラキアも軌道に乗ったのは5歳秋と晩年を迎えてから。その姉はこのレースを制した勢いで、エリザベス女王杯、GI有馬記念(中山・芝2500m)と連続2着の激走を果たしました。

 サフィラも4歳秋を迎えて円熟味を増しています。1週前の時点で馬体重が約480kgと、春に勝ったGⅡ阪神牝馬S(4月12日/阪神・芝1600m)時からは16kg増のボリュームアップ。関東への長距離輸送で極端に減らなければ、巻き返しは可能だと思いますし、姉同様の飛躍が期待できるのではないでしょうか」

 絶対的な存在が不在とあって、"大荒れ"もありうる牝馬重賞。ここに挙げた2頭がその一端を担ってもおかしくない。

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