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【競馬予想】GIジャパンカップ、チェルヴィニアは古馬一線級相手に太刀打ちできるか (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo

 過去の結果を振り返ってみると、2010年以降のジャパンカップにおいて、3歳牝馬は11頭が参戦(※外国招待馬は除く)。2勝、2着3回、3着1回、着外5回と、かなりの好成績である。要するに、競馬では"中・高校生の女子"でも"オトナ"相手に通用する、ということだ。

 その点について、関西の競馬専門紙記者はこう語る。

「3歳牝馬の斤量は54kg(※2022年までは53kg)。対して、4歳以上の牡馬は斤量58kg(※牝馬は56kg。2022年までは牡馬が57kg、牝馬が55kg)と、4kgも差がありますからね。これが、3歳牝馬には"有利に働く"と以前から言われています。

 そういう意味では、ジャパンカップで3歳牝馬が(古馬相手に)通用する、というよりは、斤量面で恵まれている分、(3歳牝馬は)有利な状況にあると見ていいんじゃないでしょうか。それでも、このレースを勝つには当然、相当に高いレベルが必要になります」

 同記者が言う「相当に高いレベル」とは何か。

 2010年以降でジャパンカップを制している3歳牝馬は、2012年のジェンティルドンナと2018年のアーモンドアイ。どちらも、三冠牝馬である。ジャパンカップを3歳で勝ったあとも、牡馬相手のGIを複数回制覇。海外GIでも勝利を挙げていて、名牝のなかでもひとつ格上の、レジェンド級の名牝だ。

 チェルヴィニアは、それだけの器なのか。先の専門紙記者が言う。

「現状では、そこまでの強さは感じません。実績的にも、冠がひとつ足りません。

 ただ、これまでのレースぶりを見ていると、GIを使うごとに確実に強くなっている印象があります。ですから、前走の秋華賞のときより、さらにパワーアップしている、ということも考えられます。そこに、期待でしょうね」

 専門紙記者は続けて、今回の出走メンバーを見渡しながら「チェルヴィニアに有利に働きそうな面もある」と言う。

「今年は、これといった逃げ馬がいません。加えて、有力視されているのはドウデュースをはじめ、道中後方で運ぶ馬ばかり。それも、無理に前へ行ってしまうと競馬にならないような面々です。

 ここに、チェルヴィニアにつけ入る隙が生まれます。オークスこそ、後方一気の競馬で勝利しましたが、秋華賞は中団待機から抜け出して快勝。この馬は本来、好位につけて、中団より前で競馬ができる馬です。

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