【競馬予想】天皇賞・秋は、三冠牝馬リバティアイランドにとって試金石の一戦となる (2ページ目)
だが、レース内容では決してヒケを取ってない――筆者は、それくらい強い馬であると認識している。同様の認識を持つファンや関係者も少なくないだろう。関西の競馬専門紙記者が語る。
「確かに昨年のジャパンCは、例年であれば勝っていたレースでしたね。ただ運が悪いことに、そこには1頭、イクイノックスという怪物級の存在がいました」
ジャパンCにおけるイクイノックスとリバティアイランドとの着差は4馬身。最後は追っても、追っても、その差はつまらなかった。まさに完敗である。
とはいえ、リバティアイランドは"怪物"以外の歴戦の古馬にはすべて先着。しかも、3~5着馬は皆、GI馬だった。前年の牝馬二冠馬スターズオンアース、前年のダービー馬ドウデュース、GI3勝のタイトルホルダーである。
これだけの面々を相手に、当時3歳牝馬のリバティアイランドはきっちり1馬身以上の差をつけて先着している。先の専門紙記者が言うとおり、本当に「運が悪かった」のだ。
ドバイで負けたのも、右前脚球節部の軽度の炎症によるもの、と敗因ははっきりしている。それでも、その時に出せる力を振り絞って、懸命に追い込んで3着に入った。先の専門紙記者が言う。
「ドバイでのレースは、万全なら勝っていた一戦。あの敗戦で評価を落とすことはありません。それも含めて、ここ2戦は少し運がなかった。そもそもの能力は、歴代の名牝たちと比べてもそん色ないレベルにあるのは間違いないと思います」
ドバイ遠征のあと、今春の国内のレースに出走するプランもあったという。しかし、軽度とはいえ、故障を発症したことで白紙になった。
代わって浮上したのが、春は全休して天皇賞・秋を復帰戦にする、というプランだった。そうして、この中間の調整過程は順調そのもの。春に負った傷はもうすっかり癒えたそうだ。
放牧先から帰厩した当時の馬体重がおおよそ500kg。これまでのレースに出走したリバティアイランドの馬体重は460kg台~470kg台。成長を加味しても、稽古と輸送でそれに近い数字まで絞っていくことになるだろうが、それも予定どおりに進んでいるという。
その復帰戦への順調な過程を裏づけるように、1週前の追い切りでは6ハロン80秒2、ラスト1ハロン10秒8という好時計をマーク。迫力十分の動きを披露した。
「この馬の場合、状態面で特によくなる必要はなく、『普通であればいい』と言われています。現状、その"普通"な状態に十分にあると思います」(専門紙記者)
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