マーメイドSは重賞のなかでも屈指の「荒れる」レース 今年の高配当の使者はこの2頭
今週は東京、京都、函館の3場開催だが、重賞は1戦のみ。牝馬限定のハンデ重賞、GIIIマーメイドS(6月16日/京都・芝2000m)だ。
春のGIシリーズの狭間に行なわれる牝馬限定の重賞。しかもハンデキャップ戦とあって、ひと筋縄とはいかない一戦だ。日刊スポーツの太田尚樹記者も、「重賞のなかでも、屈指の"荒れる"レースですよね」と言う。
実際、過去10年の結果を振り返っても、1番人気はわずか2勝。一方で、6番人気以下の伏兵が7勝も挙げている。太田記者が続ける。
「過去10年の馬連平均配当が8089円。万馬券が4回も出ています。さらに、ふた桁人気の馬が馬券圏内(3着以内)に7度も入っていて、3連単の配当はすべて万馬券。10万円超えの高額配当が8回もあります。
直近3年を見ても、3年連続でふた桁人気馬が台頭。2021年と2022年はいずれも10番人気のシャムロックヒルとウインマイティーが勝利を飾って、昨年も10番人気のホウオウエミーズが3着に突っ込んできました」
今年は阪神競馬場のスタンド改修工事により、18年ぶりに京都競馬場での開催となるが、そうした波乱の傾向は「変わらない」と太田記者は語る。
「京都開催となる今年は、例年と比べて少し様相が違います。格上挑戦となる条件馬の出走も過去と比べて少ないですが、まぎれの多い京都内回りの芝2000m戦。ならば、レース傾向はこれまでと変わらないと思います」
あたらめて過去を振り返れば、6番人気以下で勝利した7頭のうち、実に6頭が前走で条件クラスのレースに出走。そこで勝利を飾っていたのは、わずか1頭だった。つまり、他の5頭はすべて条件クラスで負けていながら、軽ハンデを生かして格上挑戦の重賞を制したのだ。
そうなると、今年も格上挑戦となる軽ハンデ馬が狙い目になるのか? それについては、太田記者は首を振った。代わって、オープン馬ながら人気の盲点となりそうな馬をピックアップ。穴馬候補として2頭の名前を挙げた。
1頭目は、ジューンオレンジ(牝4歳)。3歳時にはGI桜花賞(16着。阪神・芝1600m)にも出走している実績馬だ。
「デビューから1200m~1400m戦を主戦場としてきて、昨春のGIIフィリーズレビュー(阪神・芝1400m)で3着と健闘。桜花賞出走を果たしました。その後、秋になってオープン入りを決めました。
ただ、昇級後は振るわず、この春から出走レースの距離を少しずつ延ばして、2走前のオープン特別・谷川岳S(4月28日/新潟・芝1600m)で4着と善戦。前走のオープン特別・メイS(5月18日/東京・芝1800m)では8着に終わりましたが、ともにメンバー最速の上りをマークしました。メイSは典型的な前残りの展開に泣かされましたが、スローペースでも折り合いには問題ありませんでした。
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