有馬記念で「展開を作るのはこの馬。その優位性はある」マークが薄くなる実力馬をダービージョッキーが「ヒモ穴馬」に指名 (2ページ目)
――クラシックホースの3歳牡馬2頭、皐月賞馬のソールオリエンス(牡3歳)とダービー馬のタスティエーラ(牡3歳)は、どういった競馬をすると思われますか。
大西 ソールオリエンスには川田将雅騎手、タスティエーラにはライアン・ムーア騎手が騎乗。2頭にとっては初めての古馬相手のレースになりますが、近年の有馬記念では3歳馬の活躍が目立っていますから、斤量の軽さを生かした積極的な走りを見せるのではないでしょうか。どちらも早めに仕掛けてくることが予想されます。
――有力各馬がそれぞれベストな乗り方をした場合、穴馬として面白そうな存在はいますか。
大西 展開面の恩恵を受けそうなのは、タイトルホルダー(牡5歳)です。僕の見立てでは、前走のGIIIステイヤーズS(12月2日/中山・芝3600m)で逃げきりに成功したアイアンバローズ(牡6歳)が何が何でも逃げると考えていて、その番手となる絶好位にタイトルホルダーがつけると思うからです。
もしアイアンバローズがハナをきれなかった場合でも、タイトルホルダーが先手を奪うことになるでしょう。いずれにしても、実質的に展開を作るのはこの馬。その優位性は少なからずあると見ています。
ラストランとなる有馬記念では展開面で恩恵を受けそうなタイトルホルダー。photo by Kyodo Newこの記事に関連する写真を見る 有馬記念3度目の参戦となる今年は、ここが引退レースとのこと。メイチの仕上げが施されてレースに臨んでくるでしょう。今になって、あれこれと作戦を考える必要もなく、本来の自分のスタイルで全力を出しきる競馬を試みると思います。
ジャパンCでは早めにイクイノックスに並びかけられて厳しい競馬になりましたが、もともとこの馬は直線の長い東京コース向きの馬ではありません。コーナーを何度も回るようなコースでこそ、持ち味を発揮します。陣営としても、この秋3戦のなかでもここが最大のチャンスと認識しているはずです。
引退レースなので単勝は上位人気の一角になるかもしれませんが、人気が分散してレースの中心的な立場からは解放されるので、他馬のマークが緩くなった時、この馬が粘り強く頑張るシーンがあってもおかしくありません。「ヒモ穴馬」としてチェックする価値は大いにあると思います。
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