レパードSはダートで注目の「シニスターミニスター」の血を持つ牝馬と、1800mがベストの「世界的良血馬」を推す

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 8月6日(日)、新潟競馬場で3歳馬によるGⅢレパードS(ダート1800m)が行なわれる。

 今回が15回目となる歴史の浅い重賞。過去の勝ち馬にはトランセンド(2009年)、ホッコータルマエ(2012年)ら後のGⅠ馬2頭のほか、ミラクルレジェンド(2010年)、インカンテーション(2013年)、グレンツェント(2016年)、グリム(2018年)、ハヤヤッコ(2019年)など、その後も重賞戦線で活躍した馬が多い出世レースだ。

6月の3歳以上2勝クラスを勝利したライオットガール6月の3歳以上2勝クラスを勝利したライオットガールこの記事に関連する写真を見る そんなレースを血統的視点から分析していきたい。最近のダートで注目を集めている種牡馬として、シニスターミニスターが挙げられる。3歳世代では、大井所属のミックファイアがデビューから無傷の6連勝で、羽田盃、東京ダービー、GⅠジャパンダートダービーを勝利。JRAでもスマートフォルスが端午Sを勝っている。

 7月25、26日に行なわれた「セレクションセール サラブレッド1歳」では、産駒のカリーニョミノル2022が1億340万円(税込)のセール最高額、シニスターミニスター産駒としても史上最高額で落札。今が旬の種牡馬の1頭といっていい。このレパードSでも、2013年にインカンテーションが勝利。同馬はこのレースでの重賞初制覇をきっかけに、重賞6勝を挙げてGⅠ戦線でも好走を繰り返している。

 今年のレパードSには1頭のシニスターミニスター産駒が出走予定。それがライオットガール(牝3歳、栗東・中村直也厩舎)だ。

 同馬はこれまで、ダート1800mで3勝。2走前に勝利した阪神の「3歳以上2勝クラス」では、好位追走から直線では反応よく伸び、2着馬とは3/4馬身差だったが着差以上の余裕を感じさせる完勝だった。前走のマレーシアC(3勝クラス、中京・ダート1800m)は4着。外めの枠で終始外を回り、スローで流れたペースも合わなかった中で、勝ち馬から0秒3差の4着は健闘と言える。

 今回、重賞は初出走となるが、このレースでポイントとなるのは古馬と走った経験だ。前述のインカンテーション、そして2021年のメイショウムラクモ、昨年のカフジオクタゴンはいずれも、古馬混合の2勝クラス戦を勝っての参戦だった。世代限定戦ではなく、経験豊富な4歳以上の古馬に揉まれて走る経験は、たとえ2勝クラスでも貴重なもの。「古馬混合の2勝クラス勝ち馬=レパードSでも勝つ力がある」と言っていい。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る