波乱含みの中京記念 高配当をもたらす使者はコース巧者と夏場に強い2頭 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masaaki
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 もともとスッと反応するというより、じわじわとギアを上げていくタイプ。(米子Sでは)ようやくエンジンがかかりかけたところでブレーキをかける形となって、まったく力を出しきれませんでした。

 昇級初戦となった2走前のリステッド競走・六甲S(3月26日/阪神・芝1600m)では、勝ち馬とコンマ4秒差の4着。オープンでもやれる力は示しています。デビュー当初から厩舎の評価が高かった馬で、ここにきて本格化してきた印象があります」

 中京のマイル戦では、過去に4戦して1勝、3着2回、着外1回と相性は悪くない。休み明けを叩いての今回は、十分に反撃が見込める。

「久々の前走を叩いて状態も上向き。中京での実績もあり、力の要る馬場でも結果を出しているように、最終週の荒れた馬場もぴったりでしょう。

 前走の大敗もあってか、ハンデも55kgに落ち着きました。このメンバーが相手でも一発の魅力は大いにあると見ています」

 大西記者が推奨するもう1頭は、およそ5カ月半ぶりの休み明けで挑むベテラン馬だ。

シュリ(牡7歳)です。同馬の巻き返しにも期待しています。

 昨秋のGIII京成杯オータムハンデ(中山・芝1600m)を競走除外となって以降、不振が続いていますが、冬場は硬さが出るタイプ。ここ2戦は、それで本調子ではなかったことも災いした印象があります。

 この中間は、じっくりと間隔をとって立て直しに成功。帰厩後も栗東の坂路を主体にして、丹念に乗り込んできました。7月16日の追い切りでも、52秒1-11秒7といった好時計をマークして、シャープな伸び脚を披露。レースに向けての態勢は、万全と言っていいと思います」

 昨夏のGIII関屋記念(新潟・芝1600m)でも、12番人気ながら2着と激走。大穴実績があり、今回も人気薄での激走に期待が膨らむ。

「そもそも関屋記念で2着に奮闘したように、夏場に調子を上げてくる馬。中京コースも過去に2勝を挙げています。ハンデ57kgも背負い慣れた斤量で、能力を発揮するうえでの支障はないでしょう。

 典型的な逃げ馬がいないなか、アナゴサン(牡5歳)か、この馬が主導権を握りそうなメンバー構成。極端なハイペースにはならないでしょうから、積極策からの押しきりがあっても驚けませんよ」

"荒れる"夏場のハンデ重賞。今年はここに挙げた2頭が高配当の"使者"になるかもしれない。

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