中京記念で外せないモーリス産駒 今年の2頭は「5歳時がピークの牝系」と「格上げ緒戦の軽ハンデ馬」 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 ヴィルシーナは5歳時にヴィクトリアマイルの連覇を達成し、GⅠ宝塚記念でも3着。シュヴァルグランがジャパンCを勝利したのも5歳時で、この牝系は5歳時にピークを迎えるとも言えそうだ。父モーリスも5歳時にGⅠを3勝し、産駒でもジェラルディーナが4歳秋、ジャックドールが5歳春にGⅠ初制覇を飾るなど、成長力に富んだタイプが多い。ディヴィーナの重賞初制覇にも期待が膨らむ。

 もう1頭のモーリス産駒、ベジャール(牡4歳、美浦・田中博康厩舎)も侮れない。同馬は前走の薫風S(3勝クラス、東京・ダート1600m)を勝ってオープン入り。初ダートでの勝利だったが、芝でも昨年のGⅢ毎日杯(阪神・芝1800m)で2着。2走前の湘南S(東京・芝1600m)など、3勝クラスでも2度、3着に入っている。

 まだ"格下感"はあるものの、近3走は負担重量58kgで出走していただけに、今回は牡馬では最軽量タイの55kgで出走できるのも大きい。"ハンデ戦は、格上げ緒戦の軽ハンデ馬から"というのは競馬の鉄則のひとつでもあり、狙ってもいいだろう。

 以上、今年の中京記念は、ディヴィーナ、ベジャールのモーリス産駒2頭に期待する。

プロフィール

  • 平出 貴昭

    平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)

    主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

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