NHKマイルCは1600mに強い「エピファネイア産駒の牝馬」が狙い もう1頭は「母系にアンブライドルド」の血を持つ名門牝系 (2ページ目)
血統の奥を見ると、4代母バーグクレアはディープインパクトやレイデオロが出た牝系であり、2003年にNHKマイルCを勝ったウインクリューガーの祖母。このレースに縁のある血統馬と見ていいだろう。
もう1頭はシングザットソング(牝3歳、栗東・高野友和厩舎)を推す。NHKマイルCで活躍が目立つ血統には「母系にアンブライドルド」というものもあり、2012年カレンブラックヒル(母の父グラインドストーン)、2020年ラウダシオン(母の父ソングアンドアプレイヤー)と2頭が勝利。そのほか、2015年アルビアーノ(母の父アンブライドルド)が2着、2021年グレナディアガーズ(母の父ハーリントン)が3着と、9頭が出走して4頭が馬券に絡んでいる。
シングザットソングは、母の父マイゴールデンソングがアンブライドルドの孫という血統。祖母ザガールインザットソングは、ダート8.5Fの米GⅢラカナダSの勝ち馬で、3代母アリスベルの全兄に米GⅠBCクラシックを勝った米年度代表馬アリシーバがいる名門の牝系だ。
GⅡフィリーズレビューを勝っているため実績でも見劣りはしない。また、デビューから3戦連続で上がり3F33秒台の瞬発力を見せており、能力の高さも間違いないだけに狙ってみたいところだ。
以上、今年のNHKマイルCは、モリアーナとシングザットソングの名牝系出身牝馬2頭に期待する。
プロフィール
平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide
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