荒れる「3歳マイル王決定戦」NHKマイルCで2歳王者ドルチェモアの巻き返しはあるのか? (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 そうは言っても、ドルチェモアが好走する可能性がまったくないわけではない。何より、トライアルと言いながらニュージーランドTの舞台は中山・芝1600m。東京・芝1600mが舞台の本番とはコース形態がまったく異なるからだ。

 以前から「ニュージーランドTとNHKマイルCは関連性が薄い」とよく言われている。事実、ニュージーランドTで強い勝ち方をした馬がNHKマイルCで馬群に沈んだり、逆にニュージーランドTでさっぱりだった馬が本番で台頭したり、という例が過去には数多く見られる。

 ましてや、ドルチェモアは東京が舞台だったサウジアラビアRCで強い競馬をして勝っている。東京コースに適性があるのは明らかで、一変の可能性は十分にある。ここに、わずかな活路を見出せるかもしれない。先述の専門紙記者もこう語る。

「今までどおりの競馬では、巻き返しは厳しいでしょう。ただし、強気に前へ行って、後続になし崩し的に脚を使わせる競馬ができて、そのペースにドルチェモアがハマれば、わずかながらチャンスはあるかもしれません」

 いずれにしても、2歳王者ドルチェモアの能力に疑問符がついたことで、今年のNHKマイルCは本命不在の大混戦となった。

 今年もまた、荒れそうである。

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