荒れる「3歳マイル王決定戦」NHKマイルCで2歳王者ドルチェモアの巻き返しはあるのか? (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 この"背信"の凡走を、どう理解すればいいのか。関西の競馬専門紙記者はこんな見解を示す。

「GI馬で、最優秀2歳牡馬と言えば、すごく強い馬という印象がありますが、実際はそれほどでもなかった。そのことが図らずも証明された、ということでしょう」

朝日杯FSを制して2歳王者に輝いたドルチェモアだが...朝日杯FSを制して2歳王者に輝いたドルチェモアだが...この記事に関連する写真を見る 同記者がその根拠とするのは、この馬が勝った朝日杯FSのレベルにある。同レースで7着だったオオバンブルマイ(牡3歳)がのちにGIIIアーリントンC(4月15日/阪神・芝1600m)を勝っているものの、これは例外中の例外と思えるほど、朝日杯FSで上位にきた面々のその後の成績は惨憺たるもの。

 僅差の2着だったダノンタッチダウン(牡3歳)は皐月賞(4月16日)で最下位の18着と惨敗し、同じく3着と奮闘したレイベリングもGIII共同通信杯(2月12日/東京・芝1800m)で9着と完敗した。これらに続く4着、5着馬も、その後に挑んだ重賞でことごとく掲示板を外す敗戦を喫している。

 それが朝日杯FSのレースレベルを表しているとすれば、勝ったドルチェモアは「相手に恵まれた」イコール「そんなに強くはない」という見方は成り立つ。先の専門紙記者の言い分も、もっともである。

 前走のニュージーランドTについては、「休み明けでテンションが高かった」とか「スタートがよすぎて、立ちたくないハナに立ってしまった」など、いくつか敗因が挙げられている。だが、そもそもの実力に疑問符がつく。とすれば、本番へ向けて上積みがあったとしても、巻き返すのは「厳しいでしょう」(専門紙記者)。

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