東京新聞杯の本命は「芝1600m」に強いエピファネイア産駒。名マイラーの血を引く牝馬にも好走の気配 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 ジャスティンカフェは牝系の血もこのコースに縁がある。祖母のいとこは安田記念の勝ち馬エアジハードで、その産駒ショウワモダンも安田記念を勝っている。ジャスティンカフェ自身も、東京・芝1600mでは昨年5月の湘南S(3勝クラス)を勝利。そのレースでは、4角15番手から上がり3F32秒9という素晴らしい瞬発力を見せて2着以下に3馬身差をつけ、勝ちタイムも1分32秒3と優秀なものだった。

 昨秋は距離を延ばし、GⅡ毎日王冠(東京・芝1800m)で1着サリオスに次ぐ0秒1差の2着と好走。GⅠ馬とも差がない競馬を見せ、続くGⅠマイルチャンピオンシップでは、勝ち馬セリフォスから0秒4差の6着と好走した。今回はそのレース以来約2カ月半ぶりの実戦となる。強い相手に好走を繰り返した経験は大きいはずで、重賞初制覇のチャンスは十分だ。

 もう1頭はピンハイ(牝4歳、栗東・田中克典厩舎)に注目だ。父ミッキーアイルはGⅠNHKマイルC、GⅠマイルチャンピオンシップと芝1600mのGⅠを2勝した名マイラー。産駒にはメイケイエール、ナムラクレアなどスプリンターが多いが、東京・芝1600mではララクリスティーヌが、昨年11月のキャピタルSを勝利している。牝馬の活躍馬が多い血統で、2、3歳戦で活躍しつつ、4歳以降も成長力を見せるという特長がある。

 ピンハイは、前走のGⅠエリザベス女王杯(阪神・芝2200m)9着以来の実戦。その前走の西宮S(3勝クラス、阪神・芝1800m)を勝っているが、GⅡチューリップ賞(阪神・芝1600m)2着、GⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)0秒1差5着など、マイル戦も好内容の走りを見せている。東京コースではGⅠオークス(芝2400m)で4着に入っており、コース適性も問題ないだろう。

 以上、今年の東京新聞杯はエピファネイア産駒ジャスティンカフェ、ミッキーアイル産駒ピンハイの2頭に重賞初制覇を期待する。

プロフィール

  • 平出 貴昭

    平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)

    主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

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