東京新聞杯の本命は「芝1600m」に強いエピファネイア産駒。名マイラーの血を引く牝馬にも好走の気配
2月5日(日)、東京競馬場で4歳以上馬によるGⅢ東京新聞杯(芝1600m)が行なわれる。
このレースは6月に行なわれるGⅠ安田記念と同じ条件。ここでの勝利をきっかけに飛躍する馬も多く、2019年のインディチャンプ、2018年のリスグラシュー、2008年のローレルゲレイロ、2007年のスズカフェニックス、2005年のハットトリックなどが、東京新聞杯を勝ったのちにGⅠ馬となっている。
昨年5月、東京・芝1600mの湘南Sを勝利したジャスティンカフェこの記事に関連する写真を見る 今年も将来のGⅠ馬を探しつつ、血統的視点からレースを分析していきたい。
勝ち馬の血統を見ると、目につくのはロベルト系種牡馬の好成績だ。2009年アブソリュート、2011年スマイルジャック、2017年ブラックスピネルと、タニノギムレット(父の父ロベルト)産駒が3勝しているほか、2003年にもブライアンズタイム(父ロベルト)産駒ボールドブライアンが勝利している。
ロベルト系はこの東京・芝1600m戦には強く、安田記念は2008年、2009年にウオッカ(父タニノギムレット)、2012年にストロングリターン(父シンボリクリスエス)、2015年にモーリス(父スクリーンヒーロー)が勝利している。今回もロベルト系種牡馬の産駒が何頭か登録しているが、その中からジャスティンカフェ(牡5歳、栗東・安田翔伍厩舎)を本命に推したい。
同馬の父エピファネイアはGⅠ菊花賞、GⅠジャパンCの勝ち馬で、産駒には年度代表馬エフフォーリア、牝馬三冠のデアリングタクト、最優秀2歳牝馬サークルオブライフなどを出している種牡馬。多くの産駒は芝中距離タイプが多いが、サークルオブライフは阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)のほか、この東京・芝1600mで行なわれたGⅢアルテミスSを勝利。デアリングタクトも阪神・芝1600mのGⅠ桜花賞を勝利している。
エピファネイア産駒の芝コースでの全勝利数を見ても、1600mは584戦67勝と最多勝。勝率は11.5%で、2位の2000mの10.5%(593戦62勝)を上回っている。中距離のイメージが強いが、マイルは得意分野といっていいだろう。
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著者プロフィール
平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide