今年のアルゼンチン共和国杯は波乱含み。人気の実績馬より、勢いある「上がり馬」2頭に妙味あり (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

「2走前の3勝クラス・ジューンS(6月11日/東京・芝2400m)で2着だった時の勝ち馬が、その後にGII京都大賞典で勝利を飾ったヴェラアズールでした。そして、前走の3勝クラス・六社S(10月10日/東京・芝2400m)では好位から差す形で快勝したことを考えれば、ここでも面白いと思います」

 デビュー以来、2000m以上のレースを使われてきたブレークアップ。特に2400m以上のレースは5戦して1勝、2着2回、3着2回と一度も馬券圏内から外れていない。となれば、ここでも好勝負を演じても不思議ではない。

「管理する黒岩陽一調教師は決して大きなことを言わないタイプですが、3歳時には未勝利を勝った直後にGII京都新聞杯(中京・芝2200m)への参戦を決めました。その際には『強い相手と戦わせたい』と語っていて、当時から同馬に対する期待の高さがうかがえました。

 その期待馬が順調に成長して、再び重賞に挑戦。ハンデ54kgというのもいいところではないかなと思いますし、一発も十分に考えられます」

 続いて、木南記者は"遅咲きの上がり馬"ダンディズム(せん6歳)を穴馬候補に推奨する。

「前走のGII目黒記念(5月29日/東京・芝2500m)では、直線で狭いところに入っていく感じになってしまって7着に敗れましたが、勝ち馬とは差のないコンマ3秒差。"スムーズだったら......"と思わせる競馬で、昇級初戦からメドの立つ走りを見せてくれました。

 斤量も前走で背負った54kg。2走前の3勝クラス・御堂筋S(3月27日/阪神・芝2400m)では、のちにGIIオールカマーで2着となったロバートソンキーを破っているので、その比較からも重賞でも足りる力はあるはずです」

 人気が予想されるキラーアビリティは、昨年末のGIホープフルS(中山・芝2000m)を制すも、今春のクラシックでは期待されたほどの結果を残せなかった。GI天皇賞・春(5月1日/阪神・芝3200m)で3着と好走したテーオーロイヤルは、今回トップハンデの57.5kgを背負わされる。いずれも懸念材料があり、ここに挙げた勢いのある2頭が大駆けを果たしてもおかしくない。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る