アルゼンチン共和国杯は東京で連対率9割の「コース巧者」に期待。オルフェーヴル産駒の末脚にも注目

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 11月6日、東京競馬場で3歳以上によるGⅡアルゼンチン共和国杯(芝2500m)が行なわれる。

東京競馬場で好成績を残しているハーツイストワール東京競馬場で好成績を残しているハーツイストワールこの記事に関連する写真を見る ハンデ戦のこのレースは近年こそ大波乱は少ないものの、2020年は3番人気→6番人気→9番人気の決着で3連単20万2520円の高配当。より遡ると2009年には11番人気→4番人気→10番人気の決着で3連単92万2600円という大波乱の結果となった。ハンデ戦だけに、穴を狙っていっていいレースだろう。

 血統的視点からレースを分析していこう。東京・芝2500mという条件は、現在は春のGⅡ目黒記念とアルゼンチン共和国杯の2レースしか行なわれていない特殊な条件。GⅠ日本ダービーなどの東京・芝2400mとは100mしか変わらないため、同じように考えればいいと思いがちだが、意外と傾向は異なる。2400mが得意なディープインパクト産駒も、東京・芝2500mでは2012年にスマートロビンが目黒記念を制した1勝のみだ。

 一方、その条件を得意としているのがハーツクライだ。アルゼンチン共和国杯を2014年に制したフェイムゲーム、2016年シュヴァルグラン、2017年スワーヴリチャードに加え、2017年に目黒記念を勝ったフェイムゲームも加えて40戦4勝。さらに2着3回という成績は、ディープインパクトのみならず大種牡馬サンデーサイレンス(54戦4勝、2着0回)をも上回る数字であり、出走馬がいれば常にチェックが必要な存在だ。

 今年は4頭のハーツクライ産駒が登録を行なっている。その中で今回、中心に推したいのはハーツイストワール(牡6歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。

 この馬は3歳6月に勝ち上がり。成長がスローだったようで、休み休みレースを重ねていたため6歳秋ながら16戦(5勝)とレース数は少ない。今年2月の早春S(3勝クラス、東京・芝2400m)を勝ってオープン入りすると、GⅠ天皇賞・春こそ16着と敗れたが、前走の札幌日経オープン(札幌・芝2600m)を快勝してここに臨む。

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