ウマ娘に描かれているイメージどおりの「負けん気」。カワカミプリンセスは秋華賞を猛々しく勇ましく走った

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Kyodo News

 たくさんのキャラクターが登場する、スマホゲーム「ウマ娘 プリティダービー」。そのなかでもトップクラスに豪快な性格であり、気が強いゆえに、レースで競り合いになると圧倒的な強さを発揮するウマ娘がいる。カワカミプリンセスだ。

2006年の秋華賞で、カワカミプリンセスは力強い走りを見せた2006年の秋華賞で、カワカミプリンセスは力強い走りを見せたこの記事に関連する写真を見る ウマ娘のカワカミプリンセスは、体を鍛えることに余念がなく、プリンセスとは思えない筋肉質な体型。かつ、その気性とパワーが暴走して、さまざまなものを壊してしまう。

 それが負けん気の強さにもつながっている。このゲームでは、ウマ娘それぞれの特性に合わせた「固有スキル」があるが、カワカミプリンセスは、レース中にライバルと競り合うと強さを発揮するスキルを持っている。

 こういった特徴は、ほかのウマ娘と同様、モデルとなった競走馬・カワカミプリンセスの性格に起因しているのは言うまでもない。

 たとえばその気の強さ。カワカミプリンセスはとにかく気性が荒く、うかつに人が手を出すと攻撃されるほどだった。取材に訪れた新聞記者が威嚇されることも多かったという。

 こんなエピソードも残っている。この馬の気の強さを考慮したスタッフは、同馬が普段過ごす馬房に、よくある「猛犬に注意」という看板の「犬」を「馬」に変えた「猛馬に注意」という看板をかけていた。さらにその下には「Don't touch」というステッカーも掲げられていた。

 それほど激しい気性を持った"プリンセス"だったが、現役時代はこの負けん気を武器に、GⅠ2勝の実績を築いた。その2勝とは、オークスと秋華賞。ファンのイメージとしてはオークス勝利の方がインパクトが強いかもしれないが、その後に制した秋華賞も、負けず劣らずの大仕事だったといえる。

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