「絶対リベンジするから覚えとけよ」。勢い止まらぬルーキー・今村聖奈の騎手人生は挫折から始まった (3ページ目)

  • 河合 力●取材・文 text by Kawai Chikara

「日本ダービーと有馬記念を乗ってみたい」

ーー自分の騎乗レース以外で印象に残っているレースはありますか?

 ずっと武豊騎手のファンで、やっぱりキズナの日本ダービー(2013年)が鮮明に残っていますね。豊さんの「図ったような差し切り」は本当に鳥肌が立ちますし、キズナのダービーはその代表ですよね。

 今となっては、レース前のゲート裏で豊さんがいたり、返し馬の時に声をかけていただいたり、自分が豊さんと一緒のレースに乗っていると実感すると不思議な感覚になりますよ。

ーーそして、冒頭で述べたようにGⅠ騎乗が可能となりましたが、今後乗ってみたいGⅠレースはありますか?

 普段、競馬を見ない方でも知っている日本ダービーと有馬記念は、やっぱり乗ってみたいですね。でも、乗せていただく機会があればどんなGⅠでも騎乗してみたいです。小さい頃から父に競馬場へたくさん連れて行ってもらいましたが、GⅠは雰囲気が違いますし、声援の量も変わります。私も早く、ジョッキーとしてその雰囲気を味わいたいですね。

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【プロフィール】
今村聖奈 いまむら・せいな 
2003年、滋賀県生まれ。父の今村康成氏は元JRA騎手。2022年3月にJRAジョッキーとしてデビューし、9月5日現在で40勝(JRA36勝、地方4勝)をマーク。7月3日のCBC賞(GⅢ)では、JRAレコードで女性騎手初の重賞初騎乗初勝利を飾った。

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