堤礼実アナも度肝を抜かれた今村聖奈騎手の快挙達成。「彼女、本当に新人ジョッキーなの?」 (2ページ目)

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi



 さて、今年の夏競馬最大の話題と言えば、何と言っても今村聖奈騎手の活躍でしょう。

 小倉競馬場で行なわれたGIII CBC賞で、新人ジョッキーにして重賞初騎乗初勝利という日本競馬史に残る快挙を成し遂げました。

 今村騎手が乗るテイエムスパーダは、スタートからすぐに先頭に立つと、前半600mを31秒台という驚異のハイペースで疾走。新人ジョッキーがこんなに思いきりのいい騎乗ができるなんて、本当にすごいなと感心しながら見ていたのですが、最後の直線に入っても脚色が鈍るどころか、むしろ後続を突き放す強さで、楽々と逃げきってしまいました。

 しかもタイムは、芝1200mのJRAレコードを更新する1分5秒8。勝ち方があまりにも鮮やかだったことの興奮と、とんでもないレースを見てしまったという驚きとで、私は佐野アナやDAIGOさんと思わず顔を見合わせてしまいました。

 と同時に、今村騎手の勝利ジョッキーインタビューを聞いていて、「馬は最高の状態に仕上げてもらったので、あとは人間(騎手)がどうアプローチするか。走るのは馬なので人間が気負っても仕方がない」。そんな言葉で冷静にレースを振り返り、落ち着いた受け答えをしていたことがとても印象的でした。

 時折初々しい喜びを垣間見せるものの、いろんなことを冷静、かつ客観的に見ることができているのには、本当に驚かされます。

「彼女、本当に新人ジョッキーなの?」

 そんな疑問が自然と湧いてくるほど、すべてが新人離れしていました。

 こうなると、少し気が早いとは知りつつも、期待してしまうのは、この秋のGI騎乗ですよね。

 GIに乗るためには31勝が必要ですが、今村騎手はすでに通算30勝(JRA26勝、地方競馬4勝/8月13日現在)を挙げているのですから、今の勢いや積極的な騎乗を見る限り、条件のクリアは時間の問題でしょう。さらに、彼女ならGIレースだからと特別な力が入ることなく、馬の能力を最大限に引き出す騎乗を見せてくれそうな気がします。

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