日本ダービーで狙うべきディープインパクト産駒は? 6連勝と勢い続く「キンカメ系」も見逃せない (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 その皐月賞は、内容的には決して悲観するものではなかった。スタートで出遅れて後方からの競馬になり、外を回って徐々にポジションを上げたが、直線では他馬に寄られてややフラついて伸びを欠き、追うのを止めるようなシーンがあった。力を出しきったとは言えず、スムーズな競馬ならもっと上位に入ったはずだ。

 新馬戦、黄菊賞は2番手から叩き合いを制したように、本来は先行力も勝負根性もあるタイプ。ひと叩きして調子は上向いているようで、うまくスタートを決めれば十分勝負になるだろう。

 ジャスティンパレスは血統も素晴らしい。半兄パレスマリス(父カーリン)は米クラシックの最終戦・米GⅠベルモントS(ダート12F)の他、マイルの米GⅠメトロポリタンH(ダート8F)も勝った、スタミナとスピードを兼備する名馬。さらに現5歳の半兄アイアンバローズ(父オルフェーヴル)は、GⅡステイヤーズSとGⅡ阪神大賞典で2着、GⅠ天皇賞・春で5着というステイヤーだ。

 母の父ロイヤルアンセムは、加GIカナディアン国際(芝12F)など芝10F85y~12FのGⅠを3勝。母系の血からも距離延長は間違いなくプラスに働くだろう。

 2頭目は過去の傾向でなく、今年の平地GⅠの血統的傾向から占ってみよう。今年の桜花賞以降のGⅠは、「非サンデーサイレンス系でキングカメハメハの孫」という血統馬が6連勝中。サンデーサイレンス系が勝てないレースが続いている。

 今回、この条件に当てはまるのは皐月賞馬ジオグリフなど3頭いるが、今回はあえて、ジオグリフと同じ父ドレフォン、母の父キングカメハメハというデシエルト(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)を狙ってみたい。

 同馬はデビューからの3連勝で若葉S(阪神・芝2000m)を勝利。皐月賞はパドックでも落ち着きを欠いていたが、スタート直後も落馬寸前のつまずきでリズムを崩した。2番手先行も失速して16着惨敗と、明らかな敗因があった。

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