戸崎騎手も唸る。遅れてきた大物ルージュエヴァイユは「スピードに乗った時の迫力がすごい」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2022年クラシック候補たち
第15回:ルージュエヴァイユ

 オークストライアルのひとつ、GIIフローラS(東京・芝2000m)が4月24日に行なわれる。その出走予定馬のなかに、デビュー2連勝を飾って挑む注目馬がいる。

 美浦トレセンの黒岩陽一厩舎に所属するルージュエヴァイユ(牝3歳/父ジャスタウェイ)である。

デビュー2連勝を飾って、フローラSに挑むルージュエヴァイユデビュー2連勝を飾って、フローラSに挑むルージュエヴァイユこの記事に関連する写真を見る 同馬は昨年末の2歳新馬(12月25日/中山・芝1800m)でデビュー。中団やや後方の馬群のなかを追走し、4コーナー手前でもその位置でじっくりと構えていた。

 そして、直線を向いて早め先頭に立ったのは、好位で競馬を進めていたヴァンガーズハート。昨年の年度代表馬エフフォーリアの弟で、断然の1番人気に推されていた。直線半ばでは完全に抜け出して、そのまま押し切るかに思われた。

 ところが、馬群を縫って最後にすさまじい猛追を見せたのが、ルージュエヴァイユだった。坂上からさらに加速して、まさしくゴール直前でヴァンガーズハートをかわして初陣を飾った。

 ゴールを目前にしてヴァンガーズハートに騎乗していた横山武史騎手が手綱を緩めてしまうミスがあったものの、それを差し引いても、ルージェエヴァイユが最後に見せた切れ味はすばらしかった。

 続いて出走したのは、1勝クラスのデイジー賞(2月27日/中山・芝1800m)。同馬はここでも圧巻の末脚を披露した。

 道中は後方に待機し、3コーナーすぎから徐々に進出。初戦とは違って、直線では大外から仕掛けていった。そこから、他馬とは明らかに違う脚色を見せてライバルたちを次々にかわしていく。

 最終的には、先に抜け出したサンカルパもゴール前できっちりと捉えて快勝。わずかクビ差ながら、鞍上の戸崎圭太騎手はゴール前で手綱を抑える余裕を見せていた。

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