ウマ娘で続くアグネスタキオンの物語。ライバルを圧倒して走った4レースは伝説的だった (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Kyodo News

 その年のGIは、ジャングルポケットが日本ダービーとジャパンCを、クロフネがNHKマイルCとジャパンCダートを、弥生賞で下したマンハッタンカフェが菊花賞と有馬記念を制し、アグネスタキオンに敗れた馬たちが席捲。それらの勝利は、結果的にアグネスタキオンが改めて評価されることにもつながった。

 種牡馬としても、サンデーサイレンスの後継として大成功を収め、リーディングサイヤーとなった2008年は、ディープスカイが自身の果たせなかった日本ダービー制覇を果たし、ダイワスカーレットも有馬記念を勝利するなど産駒が大活躍。作中でもダイワスカーレットはアグネスタキオンを慕うよき後輩として描かれている。

 アグネスタキオンの現役時から20年余。競走馬の健康管理は大きく進歩した。それはまさに作中で研究者キャラとしてのアグネスタキオンが求めたものだ。2頭の2歳チャンプに3頭の無敗馬が顔を揃えた今年の皐月賞もその賜物だろう。

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