陣営も惚れ込むケタ違いの末脚を持つイクイノックス。異例のローテでクラシックに挑むわけ (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

東京スポーツ杯2歳Sを制したイクイノックス東京スポーツ杯2歳Sを制したイクイノックスこの記事に関連する写真を見る こうしてデビュー2連勝を遂げたイクイノックスは、驚くことにここから皐月賞へ直行することとなった。陣営はなぜ、この異例のローテーションを決断したのか。関東競馬専門紙のトラックマンがその理由を説明する。

「陣営は、イクイノックスの完成は『まだ先』というジャッジをしていて、『この(480kg前後の)馬体重でもシルエットは華奢。もっと大きくなっていい』と見ています。そのため、皐月賞前にレースを使って消耗するよりも、直行で負担を減らして成長を促したいという考えがあってのことのようです」

 ともあれ、秘めた素質は一級品。陣営の評価はすこぶる高い。

「これまでの2戦について、『鞍上のゴーサインに対して反応が遅れるなど、まだ100点とは言えない競馬』とスタッフ。それでも、『エンジンがかかってからの末脚はケタ違い。ポテンシャルは文句なし』と素材のよさには惚れ込んでいます。

 そのレースぶりからして、小回りの皐月賞はどうか? という感じはしますが、陣営の大目標はおそらくGI日本ダービー(5月29日/東京・芝2400m)。皐月賞を叩いて、大一番に向けて万全の態勢を整えてくるのではないでしょうか」

 凄まじい豪脚を武器にして、いよいよクラシックに臨むイクイノックス。この馬もまた、近年のトレンドとなっている"直行ローテ"で結果を出すのか。競馬界の新たなスターとして注目される同馬の走りから目が離せない。

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