高松宮記念を血統面から分析。GⅠ初勝利を狙う7歳馬と、レース相性がいい牝馬が魅力的

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 3月27日、中京競馬場で4歳以上馬によるGⅠ高松宮記念(芝1200m)が行なわれる。

 芝1200mのGⅠとなってから27回目のレースとなる今年の高松宮記念。昨年の勝ち馬ダノンスマッシュは引退し、昨秋のGⅠスプリンターズS(中山・芝1200m)を勝ったピクシーナイトは故障休養中と寂しいニュースも。

前走の阪急杯を勝利したダイアトニック前走の阪急杯を勝利したダイアトニックこの記事に関連する写真を見る だが、昨年のこのレースやスプリンターズSの2着馬で、2019年のGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬レシステンシア、2019年のGⅠ朝日杯フューチュリティSを勝ったサリオス、2020年の朝日杯フューチュリティSを勝ったグレナディアガーズと3頭のGⅠ馬が出走予定。サリオスとグレナディアガーズは、初の1200m戦出走という点でも興味深い一戦となる。

 このレースを血統面から分析すると、目立つのがミスタープロスペクター系だ。過去5年のうち3着以内に入った15頭のうち、勝ち馬が4頭、2着馬が3頭、3着馬が2頭と計9頭がミスタープロスペクター系。日本で主流父系となっているサンデーサイレンス系は2着2頭、3着2頭という成績となっている。高松宮記念は1200mというもっとも短い距離のGⅠという特異性もあり、血統的傾向も他のGⅠレースとは一線を画するものとなっているのだ。

 今年は6頭のミスタープロスペクター系種牡馬の産駒が登録を行なっている。なかでも有力なのが、3月21日現在、JRAサイアーランキングの首位を走るロードカナロアの産駒だ。ロードカナロアはこの高松宮記念のほか、香港スプリント、スプリンターズSを連覇するなど、1200m5勝を含む計6つのGⅠを勝った年度代表馬にして、顕彰馬という名馬。前述のダノンスマッシュで、すでに高松宮記念"父仔制覇"を達成している。

 今回、出走を予定しているロードカナロア産駒は4頭だが、もっとも魅力的な存在がダイアトニック(牡7歳/栗東・安田隆行厩舎)だ。

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