「まだ素質だけで走っている」プレサージュリフトの秘めたポテンシャルが大一番で炸裂するか (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

 こうして桜花賞でも勝ち負けが期待される1頭となったプレサージュリフト。だが、厩舎スタッフによれば、「まだ素質だけで走っている段階」だという。関東競馬専門紙のトラックマンがそんな陣営の評価を伝える。

「プレサージュリフトは、いまだ強い調教をほとんどしていない状態です。理由はふたつあって、ひとつはソエ気味であること。もうひとつは、母シュプリームギフトを含め、その子どもたちのほとんどがスプリンターで、『強い調教でテンションが上がり、短距離血統の血が目覚めてしまわないように』とスタッフが説明してくれました。

 また、出遅れ癖についても、本来であればゲート練習をして改善したいところでしょうが、『ゲート練習をすることで、テンションを上げたくない』とのこと。現状では無理に手を加えたくない様子でした。いずれにせよ、軽い調教でこれだけの結果を残しているのは、能力が高い証拠でしょう」

 プレサージュリフトは本質的に距離不安を抱えているようだが、馬体の成長には目を見張るものがあるという。先述のトラックマンが続ける。

「昨年5月に入厩した時は、まだ線が細くてひ弱だったのですが、その後はグングンと馬体も成長。クイーンCの際にもプラス12kgで出走し、スタッフは『いい馬になった』と話していました。

 しかも、そのクイーンCでは前が止まらない馬場にあって、圧巻の差しきり勝ち。『ポテンシャルの高さは間違いない』とスタッフは笑顔を見せていました」

 プレサージュリフトは、このままGⅠ桜花賞(4月10日/阪神・芝1600m)に向かう予定。春の大舞台でどんな走りを見せるのか。底知れぬ力を秘める"乙女"の飛躍に注目である。

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